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外国人雇用のABC

動画の内容を音声とテキストでご覧いただくこともできます。

外国人雇用そこが知りたいシリーズの第1回は、外国人雇用のABCと題して、企業経営者の方々がまずもって知りたい外国人雇用のリスクについて、ごくかいつまんでお伝えします。答えてもらうのは外国人雇用お助け隊コンソーシアムのメンバーで、さくら国際交流協同組合の田村事務局長です。

くるせ
くるせ

建設や製造や介護の現場で、日本人を雇いたくても集まらないという声をよく聞きます。そうすると外国人を雇うしかないということになりますが、雇用のコストという観点で考えると、外国人はどうなのでしょう?

タムラ
タムラ

企業様に申し上げたいことは、外国人はコストが安くできるから雇用しようと考えるのは間違っているということです。

タムラ
タムラ

まず、最低賃金法を始めとした労働関連法令は、外国人であったとしても等しく適用されますので、外国人を日本人より安く雇うということはできません。

また、外国人の日本での就労は、技能実習制度や特定技能制度などが特別に認めた範囲でしか許されていません。その制度を企業様が利用するにあたっては、様々なコストが発生します。ですから外国人雇用はコストがかります。しかし、日本人を雇用する場合にも、ハローワーク等の公的な機関を通じて雇用する場合でなければ、やはり、採用するためには人材紹介会社などに支払う費用が必要になるわけで、それと同様にお考えいただければと思います。

日本で外国人の就労者の数が年々増えてきている、また今後も増えていくだろうという事実の背景には、就労する側にも雇用する側にもメリットがあるからです。農業や介護や建設といった産業分野で、仕事をしたいという日本人がどんどん減っていく中で、すすんで仕事をしたい、一生懸命に仕事をしてくれる外国人がたくさんいるということです。外国人の側も賃金だけを目的に働こうとしているのではありません。日本の進んだ技術やサービスを習得して、母国でそれを発展させたいと考えているのです。企業様には、その点を十分に理解していただきたいと思っています。

くるせ
くるせ

なるほど。外国人雇用は、雇用する側と就労する側にウインウインの関係があるから成り立つということですし、企業もそれを意識しなければならないということですね。

ただ、外国人の雇用となると、会社経営者の方々が一番心配なことは、日本語のコミュニケーション能力だと思うのですが、実際はどうなのでしょう?

タムラ
タムラ

外国籍の方のコミュニケーション能力について日本人と同等であることを求める経営者様もたくさんいらっしゃいます。また、送り出す側の私たちは、彼ら彼女らの日本語能力の向上のために、日々努力と改善に努めていくことは言うまでもありません。

しかし、今後、外国の方に助けていただかなければならない状況が増えていくであろうことを考えた場合、ある程度の日本語能力があれば活躍できる職場の環境づくりについても検討すべき段階に、すでに入ってきているのではないでしょうか。現在ある、マニュアルや作業手順書について、外国人の意見を取り入れて、より分かりやすく、使いやすいものにしていくということも一つの方法かも知れません。

くるせ
くるせ

企業側としてもうひとつ心配になることが、外国人の場合長く雇うことができないのではないかということです。長くいて欲しいのだけれど、なかなか定着してくれないという話も聞きます。実際のところどうなのでしょう?

タムラ
タムラ

この点についても、日本人と外国人に違いはないと思いますね。厚生労働省が2020年に公表した資料によると、2019年における入社3年以内の離職者は約3割です。

一方、外国人の就労の場合は、確かに在留期間に制限があります。しかし、新たに創設された特定技能制度を活用することで、技能実習と特定技能を組み合わせれば、最長10年まで雇用することができるようになりました。

会社に定着しにくい外国人特有の原因があるとすると、 1) コミュニケーションがうまくいかないことにより不満や孤立感が蓄積して、それが離職につながるということが考えられます。これに対しては、企業様のご理解と私たちのような監理団体・支援機関が、企業様と外国人の双方をサポートしていくことが重要になります。 2) また、外国人の側に当然想定されていた日本語能力が不足している場合は、さらにコミュニケーションの問題が深刻になります。

くるせ
くるせ

監理団体や支援機関が、そのあたりをサポートしていくという仕組みにはなっているのでしょうか?

はい。技能実習の場合は、監理団体が毎月会社様を訪問し、実習生と経営者様との間に入って、お互いの意思疎通の橋渡し役をさせていただいています。誤解や不満がたまらないようにすることで、仮に問題が発生したとしても、大きく発展する前に解決できるようサポートさせていただきます。

特定技能の場合も、支援機関は法令で、定期的に外国人とその監督者の方と面談すること,外国人からの相談・苦情への対応も受け付けることが義務付けられています。

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田村正剛

監理団体・支援機関の「さくら国際交流協同組合」の創設者で事務局長。

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